評価作業とは?
2017年11月29日
ただ今、「木神楽」さんの注文材を木出し作業中です。
その中で、現在のストックでは足りない材があったので、倉庫で半年以上乾燥させてある、まだ評価をしていない材を引っ張り出しました。
「三浦林商」さんの山土場で半年以上乾燥させた月齢伐採の材は、もりずむの倉庫でさらに半年以上乾燥させてから出荷します。その半年以上乾燥させた材で、未評価の材があるのです。
「評価」とは、寸法や瑕疵の有無を確認することです。
順を追って説明しましょう。
上の画像のように並べた材を、ブラシで表面の木屑やほこりなどを払い、転がしながら一本一本の一面ずつを確認していきます。
ちなみにこの作業はほこりが立ちますので、私にはマスクが必需品となります。この手の防塵マスクでないと効果がありません。花粉の時期に評価作業を行うと、花粉症対策にもなって一石二鳥です。
通称「アリクイ」と言われるスギノアカネトラカミキリの食痕や大きなひび割れ、死に節などをチェックします。こういったものは基本的に構造材の耐久性に問題はありませんが、見た目が悪いので見える部分に使う化粧材には通常使うことができません。こういった瑕疵のない部分を化粧面として、見える部分「あらわし」に使ってもらうのです。
瑕疵のあるものに関しては強度等には問題ないので、表面には出てこない部分に使う材となります。
チェックが終わった材に評価を記入します。「4」というのは「4寸角」の意味です。「ト」は特一材と呼ばれる、化粧材ではない材料となります。化粧材は綺麗な面がわかるようにこの二方向が綺麗とか三方向が化粧面という印しを記入します。中には、ちょっと割れはあるけど非常に表情が綺麗なので化粧面で使ってもらいたい、というものもあります。
そして、忘れてはならないのがこれ。
この木材がどの場所で、いつ伐採され、いつ製材され、どれだけ山土場で乾燥されたのか、がこの表記からわかるのです。いわゆるトレーサビリティです。伐採から製材、乾燥、販売までを一貫して行う「もりずむ」ならではのものです。
これを評価時に記入し、出荷の際には一本一本記録に残し、お客様のお家に使われる木がどこで伐採され、どういった工程で管理されたかをトレースできるようにしてあるのです。
なかなかきめ細やかでしょう?